社会人になると老後に備えての貯蓄や確定拠出年金で資産運用の知識が必要になる。 資産運用についてどれか一冊に絞るとするならこの本になるだろう。 株式投資の定番の名著である。 株のみならず資産運用するならば必読である。 あいにく初心者向きに書かれていないので、初心者は読むのがやや辛いでしょう。

初心者にありがちな株に関する迷信は次のようなものである。

  • 株はギャンブルである
  • 株は企業の業績を推測するもの
  • 知識のない初心者はカモにされる
  • 資産運用はプロに任せるのがよい

こんな風に思っている人はこの本を読めば目からウロコが落ちるだろう。

プロのファンドマネージャーが選んだポートフォリオと ダーツで選んだポートフォリオのパフォーマンスを比較しても差がでないのである。 一見すると不思議ではあるが、理屈を知ると納得がいく。 プロの投資家同士が駆け引きをしている株式市場では市場は効率的になり、 ダーツでランダムに選んだポートフォリオでもよいのである。 株式市場は資本主義の神の見えざる手がよく機能している。

本の内容は最初にバブルの歴史に触れる。 次にチャーチストを徹底的に批判し、 続いてファンダメンタリストまで批判する。 そして、効率的市場仮説、現代ポートフォリオ理論、資本資産評価モデル(CAPM)を説明する。 最後に投資の手引きである。